厚生労働省健康局 結核感染症課  鳥インフルエンザ担当  金成様 三木様

私は名古屋市内で学習塾を経営しております。インターネットで鳥インフルエンザについて調べていて、最近たまたま鳥インフルエンザの調査の様子が書かれた京都の新聞社の公式ホームページをみつけました。2004年冬、京都の養鶏場で鶏が鳥インフルエンザを発症して数十万羽の鶏が処分されたことを鮮明に記憶しております。みつけたホームページには、まさにその京都の養鶏場周辺での調査の様子が生々しく書かれています。記事を書いているのは、普段は野鳥を捕獲して足環をつけている鳥類標識調査員のようです。環境省と山階鳥類研究所から依託された公的な調査とありますから、環境省と山階鳥類研究所が鳥類標識調査員に依託して行われた調査のようです。そして、その内容を読んでいて気になった点がいくつかあります。

http://www.rakutai.co.jp/etc/nakagawa/doc/058.html には、「ニュース映像を見た人たちや地元住民に不安を募らせない為、支給されたマスクや手袋をせずに調査に臨んだ」と書かれています。感染症の調査にのぞむ場合、二次感染や感染拡大を防ぐためにマスクや手袋を使うのが当然なのではないでしょうか。不安を募らせない為に使わないのは本末転倒だと思います。日本では人間が感染するタイプの鳥インフルエンザはまだ確認されていないそうですが、万一この鳥類標識調査員が感染したら取り返しのつかないことになるのではないでしょうか。また、人間は感染しないといっても鳥は感染するはずです。ですから本来は、使い捨ての手袋を1羽ごとに交換して調査に望むべきだと考えます。ところが、この鳥類標識調査員は手袋もせず、手の消毒もせず、ウイルスをつけた手で次々に105羽もの鳥を触ったと書いてあります。そして、鳥インフルエンザに感染したカラスを見つけたとも書いています。この鳥類標識調査員が、鳥から鳥への感染拡大を助長していたのではないでしょうか。

 

また、http://www.rakutai.co.jp/etc/nakagawa/doc/059.html の記事中には、調査の委託元である環境省と山階鳥類研究所の人間も現地で調査に参加していたことが書かれています。私は、この調査は危険で杜撰なものだと感じるのですが、その調査に依託の人間が参加していたということは、委託元は危険で杜撰な調査の実体を知っているということでしょうか。

さらに、この鳥類標識調査員は、日頃から捕獲した野生のスッポンの生き血や生肉の刺身を食べているようです。このような衛生観念に欠けた人物が、専門外である血液採取まで行った様子も書かれています。ウイルスに汚染されている可能性がある血液の採取作業を、専門外の人間がマスクや手袋もせずに行うというのは大変危険なことではないでしょうか。

また、「限りなくクロに近いカラス」を素手でもって記念撮影して「小生の方はとりあえず生きています」とは、記事を読んだ私には面白半分で調査をやっているようにも感じます。新聞の読者に対しても、鳥インフルエンザに対する間違った認識を与える懸念があると考えます。

(ホームページを印刷したものを資料として添付します)

 

 

以上を踏まえて質問です。

1.このような鳥インフルエンザの調査やその報告記事は、なんら問題がないと厚生労働省では考えていますか。

2.このような鳥インフルエンザの調査は現在でも続いているのですか。

3.このような調査方法に問題があるならば、依託元の環境省と山階鳥類研究所に対して、厚生労働省から指導等をする予定はありますか。

 

 

ご多忙とは思いますが、できるだけ早いお返事をお待ちいたします。どうかよろしくお願い致します。

 

(同封物)

 1.京都の新聞社の公式ホームページのプリントアウト2部

 2.返信用封筒

 

2006年8月6日