2006.8.1.  弥富野鳥園に関する質問です 


バンダーになるにはライセンスが必要です。「調査を行うには鳥獣捕獲許可に加えて山階鳥研発行のバンダー資格認定を受けねばならない」と山階鳥類研究所のHPにあります。

そこで、愛知県の弥富野鳥園について質問があります。

2005年12月21日 中日新聞朝刊15面

 

弥富野鳥園の敷地内でも、長年に渡り鳥類標識調査が続けられています。この施設での調査方法は、

●夜間、かすみ網は「張りっぱなし」(観察施設の休館日前や、明らかに雨が降りそうな時は、網をたたむ)

●網の見回りは2〜3時間おき

●山階鳥類研究所の調査であることを示す「赤い旗」は掲げていない。(立入禁止の保護区だから掲げる必要がないという認識)

ということです(2005年11月13日の弥富野鳥園での野鳥観察会で、職員が質問に答えました)。これらはいずれも重大なマニュアル違反です。かすみ網は毎日必ずたたむこと、密猟に使われる恐れがあるので盗まれないように目を離さないこと等が調査マニュアルに書かれています。夜間も張りっぱなしというのは論外でしょう。また、マニュアルには、網の見回り間隔は条件の良い時で約1時間、悪条件下ではより頻繁に見廻る必要があるとされています。網にかかったまま長時間放置されると---例えば夕方に網にかかれば朝まで放置されることになり---鳥は衰弱死したり野良猫などに襲われるからです。

調査時に掲げることが義務づけられている赤い旗

 

2005年11月13日撮影の画像です。

かすみ網にかかって暴れるウグイス

ウグイスを網から外す「職員」

 

山階鳥研発行の調査協力者一覧(List of Banders)には、バンダーの氏名が並ぶ中、弥富野鳥園だけは施設名が出ています。これは施設に対してライセンスが発行されているという意味でしょうか。昨年11月の野鳥観察会では、網からウグイスを外した職員・あらかじめ捕獲しておいて鳥袋に入れてあった鳥を放した職員の少なくとも2名が、ライセンスを持つバンダーしかできない行為をしていました。

 

バンダーのライセンスを持ち、調査マニュアルに精通していて鳥獣保護法を知っていれば、このように「野鳥を捕獲して持ってきて下さい」などという対応をするのでしょうか。(許可無く野鳥を捕獲することは鳥獣保護法違反であり、また、危険な行為でもあります)

2006年4月10日 中日新聞夕刊12面
 
 

 

以上を踏まえて質問です。

1.

弥富野鳥園では、山階鳥類研究所管轄下の鳥類標識調査が行われているのですか?

もしそうならば、施設にライセンスが出されているのですか。バンダーのライセンスを持つ人間はいないということですか。

 

2.

弥富野鳥園では、山階鳥類研究所管轄下ではない、環境省が個別に許可を出す学術調査として、鳥類標識調査が行われているのですか?

もしそうならば、長年に渡って不適切な調査が続いていることの監督責任はどこにありますか。(山階鳥類研究所管轄下でないとしても、調査方法としては明らかに不適切だと考えられます)

 

 

以上です。