★実際には本文はタテ書きとなります。「絵本のタイトル」と「メッセージ」はヨコ書きです。 ★赤字の部分がご希望の通りに変わります。 |
しょうちゃんの きょうりゅう ものがたり |
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たなか しょうたくん へ 2020年3月15日 おじさん と おばさん より |
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ゆりのきしょうがっこうの たなか しょうたくんは きょうりゅうが だいすきです。 ちいさなころ えいがでみたときは すこし こわかったけれど いまは たくさんのきょうりゅうのなまえを しっています。 ひとつずつあつめた もけいもたくさんあります。 しょうちゃんは もけいをみていると ほんもののきょうりゅうに あってみたいなと いつもおもいます。 |
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あるひしょうちゃんは おばあちゃんのうちからかえってきて きょうりゅうのほんを みていました。 そこは はくあきのもりのなかです。 もりのむこうには ひろいそうげんがひろがり とおくに ハドロサウルスのむれが ゆっくり あるいていきます。 あおいそらには プテラノドンがとび アンキロサウルスが シダのはをたべています。 しょうちゃんは まるでじぶんが そのもりのなかに いるようなきがして どきどきしながら そのえをみていました。 |
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すると 「しょうちゃん」と よぶこえがしました。 びっくりして こえのほうをみると おたんじょうびのプレゼントの もけいのプテラノドンが しょうちゃんをみて ニコニコわらっています。 「しょうちゃんは きょうりゅうのことをよくしっているね。 だから ほんとうのぼくたちのなかまを みてほしいんだ。 まどのそとをみてごらん。」 まどをあけると もけいだったプテラノドンが いつのまにか7メートルもある ほんもののつばさを ひろげています。 「さあ くびのところに つかまって。 きょうりゅうのくにに しょうたいしよう。」 |
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しょうちゃんをのせた プテラノドンは かぜにのって そらへのぼっていきます。 やがて ひがしずみ プテラノドンは いっぱいのほしのなかを すべっていきます。 しょうちゃんは ここちよいかぜをほおにうけ いつのまにか ねむってしまいました。 「しょうちゃん おきて ここが はくあきの アメリカだよ。」 しょうちゃんは めをさますと 「1おくねんも ねむってしまったのかな。」 とおもいました。 |
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しょうちゃんが したをみると ほんでみたのとおなじような もりとそうげんが ひろがっています。 しょうちゃんは うれしくてうれしくて 「あの おおきなイチョウのそばに おりよう!」 といいました。 おりてくるしょうちゃんたちを イグアノドンのむれが わになって むかえてくれました。 「ようこそ しょうちゃん。 みんなで きみのくるのをまっていたよ。 これから ぼくたちのなかまにあいにいくよ。 さあ ぼくのせなかにのって。」 |
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イグアノドンは しょうちゃんをのせて そうげんを はしりはじめました。 くらく ぶきみなもりや いわだらけのおかをこえると おおきな みずうみにでました。 ここは きょうりゅうたちの みずのみばです。 たくさんの きょうりゅうたちが みずをのんだり シダのはをたべたりしています。 きょうりゅうの こどもたちも たのしそうに はしりまわっています。 イグアノドンは しょうちゃんを トリケラトプスのこどものまえで おろしてくれました。 |
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「こんにちは しょうちゃん。 なにをして あそぼうか。 そうだ ほら あそこに ぼくたちのなかまで いちばんおおきな ブラキオサウルスのおじさんがいるよ。 あたまに のせてもらおう。」 ブラキオサウルスは ながいくびをおろして しょうちゃんを あたまにのせてくれました。 ゆうえんちでのった かんらんしゃよりもたかく そらまで とどきそうです。 「しょうちゃん。 あのきのてっぺんになっている あかいきのみを たべてごらん。」 そのきのみは アイスクリームよりも チョコレートよりも もっとおいしく たねは あおいほうせきのように かがやいていました。 |
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「こんどは うみにいってみよう。」 イグアノドンは しょうちゃんを のせて そうげんのむこうの けむりをふきあげている やまをこえていきました。 すると そこには あおいあおいうみが まぶしく ひろがっていました。 「ぼくたちの ふるさとだよ。」 イグアノドンが いいました。 「アンモナイトも カブトムシも しょうちゃんたちにんげんも ちきゅうにすんでいる すべてのせいぶつが このうみで うまれた おなじそせんから しんかしてきたんだ。」 しょうちゃんは およぎのとくいな エラスモサウルスと いっしょに ガラスのように すきとおった はくあきのうみを およぎまわりました。 |
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およぎつかれた しょうちゃんが すなはまで やすんでいると むこうのくさむらから かわいいなきごえが きこえてきました。 しょうちゃんが のぞいてみると マイアサウラのすが ありました。 まだ かえっていない たまごのあいだで マイアサウラのあかちゃんが ないているのでした。 「もうすぐ おかあさんが かえってくるから なかないで。」 しょうちゃんが いったとき やわらかくて おいしそうなくさを くわえた おかあさんが かえってきました。 そして ないているあかちゃんを はなで やさしく なでました。 あかちゃんは なきやむと おかあさんが もってきたくさを おいしそうに たべはじめました。 |
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やがて あかいおおきなひが うみにしずみ ゆめのようなほしぞらが ひろがりました。 「こんどは あばれんぼうの ティラノサウルスに あいにいくよ。」 しょうちゃんは ティラノサウルスに あえるとおもうと むねが どきどきしました。 せかいで いちばんつよいきょうりゅう・・・。 でも プテラノドンといっしょならだいじょうぶ。 あさひのなかから ティラノサウルスの きょだいなからだが すがたを あらわしました。 しょうちゃんは こわくなって きのうえの プテラノドンを みあげました。 プテラノドンは 「だいじょうぶ。」とうなずいてくれました。 こんなに おおきくても しょうちゃんとおなじ まだ こどものティラノサウルス だったのです。 |
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ひが たかくのぼると きょうりゅうのなかまたちが あつまってきました。 そして ひろいそうげんで うんどうかいが はじまりました。 かけっこで いちばんは すばしこいディノニクス。 つなひきは ちからもちのトリケラトプス。 みんな とてもたのしそうに そうげんを はしりまわりました。 あんまり おもしろくて しょうちゃんは じかんのたつのを すっかり わすれてしまいました。 くさのうえに プテラノドンの おおきなかげが うつりました。 「しょうちゃん そろそろ かえらないと。 みんなに おわかれをしよう。」 「とても たのしかった。 きっと またくるからね。 こんどは ともだちの じゅんちゃんや まもるくんも つれてくるよ。」 しょうちゃんをのせた プテラノドンは みんなのうえを なんども なんども せんかいして さようならを いいました。 |
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しょうちゃんは プテラノドンのせなかで いつのまにか ねむってしまいました。 まどからはいる さわやかなかぜで もけいのプテラノドンが ゆれています。 「なーんだ ゆめを みていたんだ。」 しょうちゃんは いすから たちあがると おおきく のびを しました。 すると ポケットのなかで かちりと おとがしました。 「あれ なんだろう?」 しょうちゃんの てのひらには プラキオサウルスの あたまにのって たべた あのくだものの あおいたねが ふたつ きらきら ひかっていました。 |